インプラントとは

インプラント

インプラントは、歯を失ってしまった部分に行う修復方法のひとつです。一般的に多く用いられるブリッジや入れ歯などの方法と比べ、ご自分の歯のように違和感が少なく噛むことができ、天然歯と同じような生活を送ることができます。見た目も、天然歯に近く審美性にも優れています。

ただし、インプラントを顎骨内に埋入するための外科手術を伴うこともあって、どのような患者さまでも行えるわけではありません。手術に耐えうる顎の骨の強度と厚み、お身体のコンデションも良好である必要があります。

そこで当院では、患者さまの顎の骨や全身の健康状態も十分に把握した上でインプラント治療ができる患者さまのみご提案させていただいております。

当院で使用しているインプラント

ANKYLOSのインプラント

インプラントは世界で数百といわれる種類が販売されており、メーカーによって使われている素材などが異なります。

当院ではANKYLOSというメーカーを使用しています。これまで多くの臨床データと論文が発表され、その実績や優位性が証明されています。

自由診療

インプラント

費用(税込):インプラント体 1本220,000円 上部構造 1歯110,000円~

治療期間の目安:下顎3か月~、上顎4か月~

  • インプラントは外科手術を行う必要があります。
  • 外科手術を行うため、神経麻痺や血管の損傷などの可能性があります。
  • 健康状態によっては手術を受けられない場合があります。
  • インプラント周囲炎に罹患する可能性があります。

より安全で確実な治療のために

顎の骨の厚さは一定ではなく、また骨密度(硬さや柔らかさ)も場所によって異なります。特に歯を失った原因が歯周病であった場合、顎の骨が破壊され、密度や厚みが薄くなっている場合も多いのです。

また、お一人おひとり骨のコンディションも異なるため、事前の精密検査による確実な診断と共に、診断通り正確な手術を行うという2点が重要となります。そこで、当院ではさまざまな先端機器を導入し、状況に合わせ、的確な治療を行うことをお約束いたします。

シミュレーション

インプラントの埋入手術を適切に行うためには、患者さまの顎の骨の現状を詳細に検査することが重要です。なぜなら、歯茎より下で行われるインプラント手術は肉眼で確認できないため、事前のCT画像やレントゲン画像による治療計画を十分行っておかないと、血管や神経を傷つける可能性があるからです。

シムプラント

シミュレーションは「シムプラント」という画像診断ソフトを用いて行います。
撮影した顎の骨のCT画像を基に、さまざまな角度から3次元画像シミュレーションを行うことができます。通常肉眼で把握できない骨の状態や血管・神経の位置などが明確に分かるため、インプラントの埋入角度や深さなどが正確にシミュレーションでき、より精密で安全性の高い治療計画を立てることができます。

インプラントガイド

シミュレーションと併せて、より確実なインプラントの埋入を行うため「シムプラントガイド」も活用します。インプラントガイドとは、シムプラントで事前にシミュレーションした通りの位置にインプラントが埋入するための支援をおこなう装置です。

CAD/CAMという3D機器によって作られたマウスピース様型の「サージカルガイド」には、インプラントを埋入すべき位置と角度に設計された穴が開いています。このガイドを患者さまの口腔内に充装着してインプラントを埋入すれば、間違いない位置と角度でインプラントが埋入できるようにナビゲートしてくれるのです。

これにより、神経や血管を傷つけたり、顎の骨に埋入深度を誤ったりするような事故のリスクが低減され、高い安全性と正確性のある手術を行うことができます。また、比較的短時間で埋入手術が可能となり、患者さまのご負担も少なく済みます。

ガイドが入らない方や顎の骨が細い方もご安心ください

大口式インプラント

顎の骨が細く、通常のドリルでの切削ができない場合、治療ができないと診断されるケースがあります。

当院では、そのような症例でも治療ができる「OAM(大口式)インプラント法」を導入し、小顔でインプラントガイドが入らない方や、顎の骨が細い(薄い)方でもインプラントの埋入が行える環境を整えています。

一般的な手術の場合、事前にインプラントを入れるための穴をドリルで削り取る作業を行います。そのため、歯周病や加齢によって顎の骨が薄くなっていると、インプラントを埋入できるだけの骨が足りないため、事前に人工骨を移植したり、増骨してから手術を行わなければなりません。

OAM(大口式)インプラント法は、まず専用の細い器具を用いて骨の表面に直径0.5㎜ほどの小さな穴を空けます。そこから少しずつ器具を取り換えながら穴を広げていくため、骨に大きな負担をかけることなくインプラントの埋入ができる方法です。

ドリルで削る方法と比べ、歯を削る量が大幅に少なく済むため、術中の出血や痛みも少なく済みます。また、術中の切削音や削るときの振動と圧迫感も少ないため、患者さまの身体的負担の軽減や、精神的な不安の払拭にもつながります。インプラント埋入手術に関してのご不安や、顎の骨が細く手術できないと言われたご経験がある方でも、安心・安全に受けていただける治療です。

骨量が足りない方に向けた治療

歯周病や加齢に伴って顎の骨が不足している場合も、諦めることはありません。当院では、どうしても骨量が足りずインプラントが埋入できない場合、3つの処置を症状に合わせてご提案しています。

自由診療

GBR
GBR

GBRは骨誘導再生法もいわれる、不足している部分の骨組織の再生を行う治療です。埋入したインプラントを支柱にして、人工骨と人工メンブレンという増骨専用の膜を骨が足りない部分を覆います。処置後は歯ぐきを縫合し、膜で覆われた内部で骨が形成されインプラントと結合するまで4~6か月程度固定します。骨が再生し、インプラントがしっかり安定したら、人工歯(上部構造)をインプラント体に装着します。

費用(税込):110,000円

治療回数の目安:1回

  • GBRは外科手術を行う必要があります。
  • 健康状態によっては手術を受けられない場合があります。

自由診療

サイナスリフト

サイナスリフトは、骨の量が非常に少ない場合に行われる外科手術です。インプラントを埋入する位置あたりの歯ぐきを切開して持ち上げ、外から骨の補填材を入れたあと歯ぐきを閉じます。6か月ほど増骨期間をおいて自家骨に置き換わったら、インプラントを埋入する手術を改めておこないます。

サイナスリフト

費用(税込):110,000円

治療回数の目安:1回

  • サイナスリフトは外科手術を行う必要があります。
  • 健康状態によっては手術を受けられない場合があります。

自由診療

ソケットリフト

ソケットリフトは、まず上顎洞の下の骨の部分から骨を増やすための補填材を挿入し、専用器具を用いて上顎洞の底を押し上げます。上顎洞が十分な位置に上がったところにインプラントを埋入する方法です。固定期間は約4~5か月ほどで、歯ぐきを切開する必要がないため、サイナスリフトよりも負担が軽く済みます。

ソケットリフト

費用(税込):55,000円~110,000円

治療回数の目安:1回

  • ソケットリフトは外科手術を行う必要があります。
  • 健康状態によっては手術を受けられない場合があります。

専門医師との連携

当院では、インプラント治療において、専門医師との連携を図り、常に安心・安全な治療をご提供できる環境づくりを行っています。

外科手術を伴う治療であることから、症例によってはインプラント専門医や麻酔科医と協力して施術を行っております。また、術中は常時生体モニターで患者さまの状態を把握しながら、静脈鎮静法を行うこともあります。

さまざまな状況や症例に対応できるよう、万全な体制で行いますので、どうぞご安心ください。

静脈鎮静法

インプラントを長く健康に保つには予後管理が必須です

インプラント周囲炎

インプラントの素材自体はむし歯になりませんが、メインテナンスを怠ると、歯周病と同じように、インプラント体の周囲組織に炎症が起こる「インプラント周囲炎」を発症して骨を溶かしてしまいます。悪化するとインプラントを支えることができなくなり抜け落ちてしまうこともあるため、治療後の予後管理がとても重要になります。

特に、歯を失った原因が歯周病だった方は注意が必要です。歯科医院で定期的にチェックを行い、不具合の有無やお口の環境を整えるケアを受けることを継続しましょう。早期発見・早期治療が、インプラントの寿命を長く維持することにつながります。